会員制のレストランの事例があれば知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
会員制レストランの考察と事例について記載しています。
会員制レストランという「業態」があります。
いわゆる
会員に限定したサービスを提供するレストラン
で、通常は、
毎月の会員費
を設定します。
毎月の会員費が売上げに付加されますので、経営的に安定します。
新しく飲食ビジネスをスタートされる場合や、起業のアイデアとしても、非常に興味深いです。
下記に、お店側のメリットと、注意点をあわせて整理してみます。
お店側のメリット
会費による売上げが安定する
上記にも記載しましたが、
会員数を一定以上確保
できれば、売上げのベースができる為、経営が安定します。
そのためには、
・ある程度早いタイミングで会員数を目標水準まで確保する
・その会員数が減少した際の対応も予め計画しておく
といったことに加え、
逆に会員数が増えすぎると、お店の予約がとれにくくなるなどのリスクもある為、
・会員数の上限を設定する
ことも考慮する必要がでてきます。
会員によるリピート利用が期待できる
ユーザーは、会費を負担していますので、ある程度の頻度でお店を利用することが期待できます。
ユーザーはお店を利用した際も普通に売上げがたちますので、
会費+お店利用時の飲食代
がお店の総売上げとなります。
ちなみに、一般的に、
新規のユーザーの獲得には、既存ユーザーの利用の「5倍」の労力がかかる
と言われています。
会員制にすることによる「既存ユーザーのリピート利用」により、一般的なお店の新規ユーザーの獲得の為の「広告費用などのコスト」が軽減できることが期待できます。
顧客単価を高く設定できる
会員制のレストランの場合は、
アッパー層
のユーザー率が高い傾向にあります。
また、お店の利用の際は、その季節、イベントのコース料理を目的に予約されることが想定され、その際に、
クオリティーの高いメニュー
を
顧客単価を高くして提供
することで、売上げの面でも安定するという側面があります。
無断キャンセルの防止
会員制にすることで、正確な顧客情報を把握でき、結果、無断キャンセルのリスクを軽減できます。
また、会員の規約に、キャンセル時のペナルティーなどのルールを設けることで、実損がでた場合の対応も決めておくと良いでしょう。
顧客情報の累積による効果
お店の利用時に、ユーザーの嗜好などの情報を累積することで、
再来店の促進をする際の情報
や、
来店時に、嗜好にあわせたサービスが行える
といったことに活用できます。
注意点
会員になる為のハードル
普通にお店を利用する場合は、特に個人情報をとられることはありませんが、会員制の場合は、お店を利用するには、
会員になる為の手続き
が必要となります。
その際に、個人情報も必要になる為、ひとつのハードルとなります。
ですので、会員を集めるには、そのハードル以上の魅力が必要となります。
会員集客の方法
会員を集める方法も工夫が必要です。
ある程度の母数ができれば、口コミなどの効果も期待できますが、最初のタイミングでは、やはり、複数の方法を同時並行で進めていくなどの工夫が必要です。
昨今は、
クラウドファンディング
を利用されるケースもあります。
この場合、
資金調達と集客
が同時にできます。
リピート利用してもらう為のしくみ
会員になっても、そのユーザーの利用率が低いと、会費だけの負担になってしまい、結果、会員を離脱してしまう可能性が高くなります。
ですので、ある程度の頻度で実際にお店を利用してもらうしくみが必要となります。
先にも記載しましたが、全くの新規のユーザーを獲得するよりは、効率的に販促ができますので、その為のしくみを考える必要があります。
魅力的なお店であること
もっとも本質的な部分ですが、そのお店が、
魅力的なお店であること
が全ての大前提になります。
そのお店が、
・他のお店にはない特徴
があり、加えて
・定期的に訪れたくなる
と思ってもらうことが重要となります。
下記の会員制レストランも、かなり個性的なお店が多いです。
会員制レストランの事例
会員制レストランとしては、下記のような先があります。
ローストホース
ガストロノミーレストラン「sanmi」
肉割烹かつまた
まとめ
会員制の飲食店といえば、古くは、会員制のスナックというものがありました。
ただ、普通の飲食店としては、会員制にしてしまうと、
会員を集める為のスタートアップの段階でのハードル
があがることが予想されます。
ただ、一般向けと会員向けでサービスのパターンを分けるなどのアイデアはありますね。
いずれにしても、
会員になりたいとおもわせるようなお店の魅力
をどのように作っていくのかを十分に検討する必要はあります。
以上、「会員制レストラン」というユニークで新しいビジネスのヒントについてでした。