今、問題になっている、
空き家
に関連して、「空き家ビジネス」について知りたい。
こんなテーマに関する記事です。
空き家に関連するビジネスについて記載しています。
社会的に、
空き家の問題
は、関心の高いテーマのひとつです。
少し古いデータにはなりますが、
平成30年住宅・土地統計調査の数値
では、
・全国の空き家数はおよそ846万戸
・全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%
となっています。
全体の1割ちょっとですので、割合としては、多いですね。
また、令和2年に、上記データのうちから、無作為に抽出した詳細調査が、行われ、結果、
空き家の5割超は腐朽・破損がある
という結果がでています。
(参考)令和元年空き家所有者実態調査 集計結果
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001378475.pdf
この空き家に関連したビジネスとしては、
・空き家の管理
・空き家の買い取って、リフォーム後、売却する
・空き家の買い取って、リフォーム後に賃貸する
・空き家関係の資格、講習(いわゆる、資格ビジネス)
などがあります。
下記に、内容について見てみましょう。
空き家の管理
空き家の管理は、結構、オーソドックスなビジネスです。
内容的には、
・家を外から見て、異常がないかのチェック
・定期的に、家に風を通す(閉め切った状態だと、家が傷みやすい為)
・庭木、雑草のせん定
などがあり、対象業務によって、金額も変わってきます。
基本料金は、低めの設定(例えば、月額1,000円など)にして、追加業務は、オプションにするといった料金体系にしているケースが多いですね。
管理する件数が多ければ、それなりのボリュームにはなりますが、通常、報告レポート提出することになり、それなりの手間はかかってきます。
また、所有者も、最終的には、
空き家を処分する
という可能性が高くなります。
ですので、その場合の対応も想定しておくと、ビジネスとしての可能性も広がります。
つまり、
土地建物の売買
の対応を考えておくと良いうことです。
但し、土地売買の仲介をするには、宅建免許が必要となります。
そういう意味で、将来的な売買を見込んで、不動産会社が、空家管理を行っているケースがあります。
ちなみに、大手の不動産会社も空家管理ビジネスを行っています。
宅建免許が無い場合は、連携できる不動産会社を見つけておくと良いと言えます。
(参考)空き家管理ビジネスについては、下記ページにも記載しています。
空き家の買い取って、リフォーム後、売却する
空き家の買い取って、リフォーム後、売却するというのも、オーソドックスなビジネスですね。
しかしながら、リフォーム後の売却については、注意が必要です。
というのも、上記にも記載しましたが、
宅地や建物の売買を「業として行う」
という場合は、
宅建業の免許
が必要になるということです。
自宅を売却するのは、業として行っている訳ではないので、問題はないのですが、
土地建物の売却を「業として行う」(ビジネス目的、反復継続性)
という行為を、宅建業の免許なしで行うと、宅建業法違反となります。
実際、個人が無免許で「宅地建物取引業」を営んだとして逮捕された事案もありますので、注意が必要です。
宅建免許なしで、ビジネス目的での不動産の売却は、NGです。
空き家の買い取って、リフォーム後に賃貸する
空き家の買い取って、リフォーム後に賃貸する際は、
どのようにして物件を取得するのか
ということに加えて、
リフォーム
賃貸の募集
という点に留意して進める必要があります。
物件の取得
空き家を、いわゆる、収益物件を所有するという場合、
自分で、買い取りができる空家を見つけてくる
という場合と、
普通に、売却中の物件を購入する(不動産購入の普通の方法)
という2つのバターンがあります。
自分で、買い取りができる空き家を見つけてくる場合は、例えば、
空き家を見つける
↓
法務局で登記簿を取得して、所有者を確認する
↓
所有者と交渉する
という流れになります。
法務局での登記簿の取得は、物件の住所が確認できれば、誰でも取得できます。
(登記簿の取得は、有料です。)
但し、登記簿には、所有者の住所のみの記載となり、電話番号の記載はありません。
状況によっては、所有者が引っ越しされている場合で、登記簿の変更がなされていないケースもあります。
その場合は、連絡のとりようがありません。
また、住所が確認できたとしても、所有者との直接交渉は、慣れていないと、ハードルが高いと言えます。
交渉ごとが苦手な場合は、やはり、信頼できる不動産会社に、相談するのが良いでしょう。
仮に自身で交渉した場合も、売買契約の際は、念のため、不動産会社に仲介してもらったほうが安心ではあります。
仲介手数料は発生しますが、結果的に、売買に伴うリスクは軽減できると言えます。
また、賃貸の募集も、結局、不動産会社に依頼することになりますので、賃貸の募集も見据えて、信頼できる不動産会社を見つけておくことは、おさえておきたいポイントになります。
リフォーム
リフォームに関しては、コストを削減する場合は、
自身でDIYする
という方法もあります
実際、大家さんの中には、自身で時間をかけてDIYする人もいます。
もしくは、手間がとれない場合は、業者さんへ依頼することになります。
リフォーム費用や、業者さんの質は、正直、ピンキリです。
下記の楽待の動画にも、悪質なケースが紹介されています。
良い業者さんを見つけることが重要になってきます。
(参考図書)
カチタスの前身の「株式会社やすらぎ」の社長だった人の本
100万円でできる戸建てリフォーム
(参考)レンタルスペース、シェアオフィスとしてリフォームした事例
建築士さんが自身で取得した物件を、
レンタルスペース、シェアオフィス
として、リフォームした事例が記載されています。
空き家関係の資格、講習(いわゆる、資格ビジネス)
空き家に関する、「周辺ビジネス」として、
いわゆる資格ビジネス
があります。
もちろん、民間資格となります。
運営者側は、試験費用や講習会、更新費用などの売上げで、収益性も高くなることが期待できます。
ただ、受験する側の視点では、あくまで民間資格ですので、
収入には直結しない資格
となります。
※弁護士や、司法書士などの国家資格は、法的に、資格保持者しか業務ができない領域がありますので、業務独占資格と呼ばれます。
もちろん、民間資格でも、名刺には記載するなどのメリットはありますが、それが、コスト(受験料、年会費など)に見合うかどうかの判断になります。
また、一般論にはなりますが、資格ビジネスを運営している会社、団体の中には、単に利益目的と思われるような場合もありますので、注意しましょう。
空き家に関する資格(民間資格)としては、下記のような先があります。
空き家管理士(一般社団法人 空き家管理士協会)
年間登録費、12,000円との記載があります。
サイトには、空家フォトコンテストのページがあります。
ちょっち、面白いですね。
空き家再生診断士(一般社団法人 全国空き家流通促進機構)
認定講習会 29,800円(消費税込み)
<合格後>
登録手数料:11,000円<税込>
更新費用:2年 更新手数料、11,000円
空家空地管理士(特定非営利活動法人 空家・空地管理センター)
空家・空地管理センターの協力会社(不動産・建設業者)向けの限定資格です。
まとめ
空き家に関するビジネスは、基本、
現在の事業との相乗効果
があれば、取り組む価値が高いということが言えます。
実際、不動産会社や、相続関係、あるいは、建築系の業務があれば、その相乗効果があると言えます。
逆に、
単体でのビジネス
としては、収益の範囲が限られてきます。
ですので、自社の現在の事業を勘案して検討されることをお勧めします。